腐大生の徒然日記

耽美、BLの沼から脱け出せない大学生による雑記ブログです。主にBL作品(漫画、小説、映画etc..)の感想、BL愛を綴っています。その他頻出話題は映画、音楽、絵画、グルメ等になると思います。

『かがみの孤城』辻村深月 ~毎日がツラい人、そして支える人に読んでほしい一冊~

こんばんは、カエルです🐸

 

 

小学校、中学校、高校がついに再開しましたね。

友達や先生と久しぶりに会えるこの日をずっと楽しみにしていた子もたくさんいると思います。

 

でも中には学校の再開が憂うつで憂うつで仕方がなかったり、今度こそは行けると思ったのに当日になったら布団から根っこがはえたように出られなかったり……そんな子もいるんじゃないかな、って思います。

 

筆者には高校生の妹がいて彼女の学校も6月から始まりました。妹は……学校再開の前前前前前前日くらいから憂うつそうで半泣き状態でした。妹も学校に行きづらい子の1人です。

 

 

ほんとうにほんとうに生きるのが辛いんだっていう人も、たぶんいますよね。

 

 

生きるには辛くて苦しいことがたくさんある……学校も始まったことですし今回はそう感じている人たちや、彼らを支えている人にぜひ読んでいただきたい一冊をご紹介します。

 

辻村深月先生かがみの孤城ポプラ社です!

 

 

「生きづらさ」を感じたことがある人は、この作品に結構共感する部分も多いと思います。

そしてラストは爽快かつ温かな感動に包まれる……

7人(+1人?)の少年少女たちのの物語です。

 

 

 

かがみの孤城

 

 

 

 

本屋大賞受賞作です

 『かがみの孤城』は2018年に本屋大賞を受賞しました。

さらに王様のブランチブック大賞、ダビンチの小説ランキング1位などなど……驚異の7冠を達成しています!

 

👇️出版社のサイトです。

作者の辻村深月さんのインタビューものっています!

www.poplar.co.jp

 

 

あらすじ


あなたを、助けたい。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた―― なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。 生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。 (出版社サイトより)

 

 

 

おすすめポイント!

しょっぱなから引き込まれる

 おそらくこの毎日がツラく感じている人はしょっぱなから引き込まれるのではないでしょうか。特に主人公が学校に行けず悩んでいるということなので、学校や会社etcに行くのに本当に大変な思いをしている方は主人公の置かれている状況や気持ちにとても共感すると思います。

 

主人公の安西こころは、ある出来事がきっかけで学校に行けなくなりました。物語の最初は学校に行くはずの時間に家にいるこころと、母のやりとりで始まるのですが……

 

とてもリアルです。

否応にも意識してしまう学校の存在、自分の回答次第で浮き沈みする母、行かないんじゃなくて行けない、母の些細な表情の変化……

 

こういった状況に置かれている子たちは繊細なので、みんなの状況が全く同じという訳でもないと思いますが、私の家で毎日繰り広げられてきたやり取りに本当にそっくりでした。

 

私は家族のことですごく悩んでいる時期にこの作品を読んだので、まずしょっぱなから泣きましたね(;^_^A

そのことで悩んでいる当事者はもちろんなのですが、ご両親、パートナー、友達、さらには学校の先生など……この問題と闘っている周りの人?にもぜひぜひ読んでいただきたいです。

 

 

辻村さんの『ツナグ』を読んだ時も思ったのですが、彼女は生きづらさを感じる人の表現がとても上手だな、と感じました。

 

 

個性豊かな子供たちと、それぞれが抱える「孤」

この物語には7人の個性豊かな少年少女が登場します。物語を読むと7人みんなのことがきっと大好きになると思います!

 

 

ポニーテールが目印のしっかり者そうなアキ、ジャージ着用イケメンのリオン、声優声で少しクールなフウカ、生意気そうでいつもゲームをしているマサムネ、ハリポタのロンに似ている不思議な雰囲気のスバル、ポッチャリで気弱そうなウレシノ。

 

彼らはこころが自身の部屋で見つけた、輝く鏡の中にあった城で出会った子供たちです。(あらすじ参照)

7人は「オオカミさま」という少女?に言われ城で鍵を探すことになります。なんでもこの鍵を見つければ願いをひとつ叶えてくれるのだそうで。

 

はじめは名前も知らない他人同士だったのでしたが、何日もの時を一緒に過ごすうちに彼らにはある「共通点」があることに気がつきました……。

この共通点は彼らがこの城に集められた真意でもあり…

 

 

7人はとても個性豊かです。みんなにストーリーがあります。

そしてみんなが唯一無二の存在で、それぞれが"孤"を抱えています。

 

さらに7人の少年少女たちの案内役?の「オオカミさま」といい…。(←目次の「オオカミさま」の秘密参照)

 

7人(+1人)のみんなが主人公でした!

 

 

本当に大切な“出会い”の物語

なぜこころを含める個性豊かな7人(+1人)はこの「城」で出会ったのか。

今までただの他人であったはずなのに、なんのために出会ったのか。

そしてなぜ今、出会ったのか…。

 

そしてなぜ「鍵」を探さなければいけないのか…。

 

物語を読み進めていくうちに全てが明かされます。

彼らの出会いには大きな意味がありました。

そしてこの「城」でこの「7人(+1人)」でこの「今」出会わなければいけなかったのです。

 

 

今起きていることには全て意味がある。意味がない出会いなんてないんだ、と考えさせられました。

涙なしでは読めない事実があるけれどラストはとても温かい気持ちになれる、本当に大切な人との「出会い」と「絆」物語でした。

 

 

 

オオカミ様の秘密

前項で書いてきましたが7人(+1人)の1人について。実はこの1人は超重要登場人物だったのです!その名も「オオカミさま」です!!

 

「オオカミさま」はこころを含める7人の子供たちが城で会う時、司会者?案内役?のような存在です。

ちなみに表紙の鏡からひょっこりはんしてるのがおおかみさまです。

 

彼女はおおかみの仮面?を被る小さな女の子?です。でも意外と毒舌で(笑)

突如あらわれ気がつくと消えてる、詳細不明で正体不明のなぞ多き人物です

 

 

でもこの彼女もすごくストーリーのある人物でした…。「オオカミさま」がこの「城」にいるのにも、子供たちと出会ったのにも意味があったのでした…。

彼女ももう1人の立派な主人公です。

 

 

読み終わって気が付いたのですが、張り巡らされた伏線にはあっぱれでした!!!

 

 

 

最後に

かがみの孤城』おすすめポイントのまとめ

◯こころの生きづらさに思わず共感するかも

◯個性豊かな子供たち

◯温かい気持ちになる絆の物語

◯張り巡らされた状線にあっぱれ

 

 500ページ以上あるこの作品。決して短くてすぐ読めるとは言えませんが、私は夢中になってしまい一晩で読み切りました。もちろん次の日寝不足でしたが(笑)

それくらい引き込まれる作品です。

 

 

もしもこの記事を読んでくださっている中に、毎日が本当に辛くて日々闘っている方がいらっしゃったら。少し語らせてください。

 

 

私自身、学校に行けなくて日々闘っていた妹を見てきました。そして両親より責任感はなく、でも家族なので突き放すことは絶対にできない、遠くもなく近すぎもしない「姉」という微妙な立場だからこそ言えることかもしれませんが……

 

もし生きるのがツラくてツラくてどうしようもなくって、消えてしまいたいなって思っている人がいたら。自分が消えた方がみんな嬉しいだろうな、って少しでも思った人がいたら。

自分が消えるなんて選択は絶対にやめてほしいです。

 

私は、今すぐ自分が消えたら死んだら家族がラクになるなる、なんて考えは本当に大間違いだと思います。

もしあなたが消えてなにもかもが消えてラクになれたとしても、残された家族、友達、学校の先生、小さい頃遊んでくれた近所のお姉さん……本当に多くの人にとってその失った悲しみは永遠に残り続けてしまうから。永遠に消えません。

それは、その残された生者が生きるか死ぬかを決めるくらいの絶対に外れない重い鎖になってしまうと思います。

 

 

中には本当なら守ってくれるはずの家族が守ってくれない環境にいる人もいるかもしれません。

でも消えないでほしい。それは家族じゃなくて、友達かも先生かも、あいさつしてくれる近所のおじさんかもしれない。もしかしたら会ったことのないネットで知り合っている人かもしれない。あなたが消えてしまうことで心にぽっかりと埋まらない穴があいてしまうことになる人が絶対にいるから。

 


本当に生きるのが辛い人からしてみればこれは私のような当事者ではない、本当に辛い人の周りの者のエゴなのかもしれません。

でもこのどうしようのない自分勝手なエゴのためにも生きてほしいです。

 

 

今は家にも学校にも、自分が安心して自分でいられる場所がないのかもしれません。繰り返される日常が本当に辛いかもしれません。

 

でも、それが変わるときは来るから。絶対来ないだろうって思えても絶対に来るから。

 

 

でもね、残念なことに何もしないのでは本当に変わらないんですよね。

 

 一歩ずつでもいいし、半歩ずつでも10分の1っ歩ずつでもいい。少しずつ勇気を出してみると、すぐではないかもしれないけど変わるんだと筆者は思います。

 

 

 

私は本当に本当に辛い当事者ではありません。正直その辛さは想像でしかなく分かりません。どの口が言うとんねんって感じです。でもその辛さと闘っていた妹を見てきた姉として、たくさんある意見の中のひとつの例で書かせていただきました。

 

いちばん大変だったときは私も正直家庭崩壊するのかなと思いましたし、妹がいつか死ぬんじゃないかって思えた出来事もあったりもしました。

 

 

ちなみにそんな私の妹ですが、現在は以前よりも自分にあった学校に通っています。でも学校の前まで行って入れなくて帰ってきてしまう時もあるし、気持ちの浮き沈みもあります。

それでも元気です。

 

今の状況になるまでには正直年単位の時間はかかりました。決して短くはありませんでしたし、様々なことに取り組んで何回も失敗に終わったりもしました。

 

 

それでも今は元気です。

気持ちの激しい浮き沈みはもちろんあります。まだまだ悩みもあります。

でも今は幸せです。

生きているって幸せですよね。

 

 

 

 さいごのまとめが長くなってしまい、しかもまとまりのない文のまとめでした。すみません(;^_^A

それでも長い文章、最後まで読んでいただきありがとうございました(*- -)(*_ _)ペコリ

 

今生きていること、そして全ての出会いに感謝したいです……。

 

にほんブログ村 大学生日記ブログへにほんブログ村