こんにちは、カエルです🐸
前々々回投稿したノンアル飲み会の時、後ろに置いてあった本の一つが読み終わりました。もの悲しくも美しい、非現代的な官能が堪能できる作品でした!
沙野風結子先生 『人喰い鬼は色に狂う』 徳間書店です!
イラスト:葛西リカコ先生
題名からして淫靡な薫り漂ってますね。
一言で表すと、ほの暗く切ない。そして雅やかなエロでした…(;´Д`)
また葛西先生のイラストがまぁ素敵で…この作品のもの悲しさ、儚さ、美しさなどが先生の絵のタッチと感動レベルにマッチしていました!…(←なんか韻ふんじゃったw)
ここのところThe BLがご無沙汰だったので……萌えに萌え、やはりblは好きだと確信しました(笑)
👇️表紙最高…
あらすじ
時は平安時代――未だ魑魅魍魎が跋扈する世界。天帝が世を収める首都・平安京で、呪や式神を駆使し裏から日本を支えているのは陰陽師たちだ。天帝より絶対の信頼と寵愛を受ける若き美貌の陰陽頭・桔晶は、幼馴染みの陰陽師・征景と、夜ごと人を喰らうオニを退治していた。そんなある日、平安京に結界を張る四つの鏡のうち、南東と南西の鏡が割れる事件が起きる。帝の霊力を高めるために行わなければならない務めに、桔晶は徐々に耐え難さを感じるようになって…(引用ちるちる)
おすすめポイント!
昔の言葉、難しい言葉って……ニヤニヤ
私、昔の言葉や文体、難しい言葉にどういうわけかエロさを感じるのですが……共感してくれる方いませんか‥?(´;ω;`)ウッ…
この作品は舞台が平安時代なだけあって今はあまり使われない言葉や堅苦しいくらい難しい言葉が出てきたりします。
平安って舞台設定だけでも私的には萌えポイントです。でもそれに加え紗野先生の選んだ言葉一つ一つに、今はなき平安時代の『The 雅』感を感じられさらに萌え度がアップなんです!
私的に最高に萌えたのはキスの描写なのですが…
桔晶は与えられる激しい口での交わりに溺れた。身体が、足の指先までも、痺れ、蕩ける。
(中略)
接吻だけで極めさせられて、桔晶はそのまま意識を失った。
『人喰い鬼は色に狂う』
接吻だけで最高の極地に達しちゃったみたいです!(えー!カワイイ!)
それをあえて「極めさせられる」と表現されてるのが私はすごく好きです。直接的過ぎないところが、なんか現代離れしている「雅」感を感じます…。
でも実は普通に使う表現だったりするのでしょうか…?よく分かりませんが上品で美しいなと思いました!ちなみに中略の部分は文字打つだけでも恥ずかしいから飛ばしましたwwそれと何気にすごいのが徒歩をちゃんと「かち」とふりがな降ってあるところとか。
☟あと帝が言う「そち」も何気に好きです( ´∀`)
「我にそちを与えよ」
(中略)
「昔のように遥の君と呼ぶがいい」
まるで童に戻ったかのような頼りない声で〈桔晶〉が返す。
「御意に……遥の、君」
『人喰い鬼は色に狂う』
御意に……もイイですねぇ(・∀・)ニヤニヤ
そして普段あまり使わない難しい言葉というと…縛め(いましめ)、艱難(かんなん)、翳る(かげる)、眇める(すがめる)、懊悩(おうのう)、激昂(げきこう)、警邏(けいら)、鍔迫り合い(つばぜりあい)……
などの単語が普通に飛び交います。漢字が大の苦手だった私にとってははじめて聞く単語もかなりありました。でもこの難しい言葉に雲の上感というか……非日常感を感じてしまい…なぜか同時にえろさも感じました。
漢字にえろさを感じるって結構末期ですかね(汗)
切なく甘いラストに通ずる、知られたくない彼らの秘密
幼なじみである桔晶と征景は、共に陰陽師としてモノノ怪たちがうごめく平安京を守っています。この2人は兄弟も同然に育ってきて今では良き仕事のパートナー。また征景は桔晶の前では烏帽子も被らないくらい(=裸)自然体でいるのですが……実は2人には絶対に互いに知られたくない悲しい「秘密」があって、それがこの物語の鍵なんです!!
まず桔晶の秘密。それは桔晶は『ヒトクイオニ』の血を引く帝の力を押さえ込んでいることです。これだけ聞くと普通なのですがオニの力を押さえ込む方法は「身を捧げ」そして「喰われる」ことなんです。そう文字通りです、抱かれて喰われます…。(ドキドキ)それは先祖代々続く家の勤めでもありました。
でも実はされているのは桔晶が作った自身のヒトガタでありあくまで分身なのです。でも端から見れば抱かれているのはTHE桔晶。さらに、抱かれる感覚も喰われる感覚も共有してしまうので桔晶本人とそう変わりはないのです。
桔晶は特に「帝と肌を重ねている(←分身だけど)こと」だけはどうしても征景には知られたくなかったのでした。
そして征景の秘密。絶対に桔晶に知られたくない秘密はというと。それは……すみません💦超超物語の核心をつくネタバレになってしまうのでここでは言えません…💦
でも、個人的に限りなくメリーに近いメリバ?だと思っています、とても甘く、どこか切ないラストに、この互いの「秘密」が深く関係していることだけは確かです!
お互いに相手の秘密を受け入れ、最後にやっと手にすることができた望んでいたもの。それはとても痛々しいです。でも2人には幸せなんだと思います。
このもの悲しさ!そしてこの官能!
切なく甘いラストはわたし好みでしたw
平安の世の両片思いに涙
この物語の主人公、桔晶は美しき陰陽師です。彼は代々続く陰陽師のお家の出で、若いにも関わらずその実力は確かなもの。
そしてもう1人の重要登場人物、征景。彼は幼い頃ヒトクイオニに家族みんな喰い殺されたという悲しい過去があります。両親を失くした彼は桔晶と共に陰陽師として育てられました。
カップリングはというと征景×桔晶です。
幼なじみで仕事仲間でもあるのですが、2人はお互いを仕事仲間以上、兄弟以上に意識してます。
でもお互い好き同士なのに真の心は通っていません。しかも征景は桔晶が喜んで帝に抱かれていると勘違いしていて……愛に嫉妬、憎悪がドロドロうずまいてます…!!
この愛してるけど素直に愛せない感じ。
両片想いは淚なしではみられません…(;´Д⊂)両片想い好きさんにオススメです!
魅力的すぎるわき役たち!
主人公とその相方は言わずもがな最高のCPです。でも彼らを取り巻くキャラたちも負けないくらい超魅力的でした…!!とにかく関係が濃くて最高!こっちでもCP作れるんじゃないかってくらいです!
主に登場するわき役?は5人です。私的萌えポイント紹介します~
①道周と氷室。命をかけて守る感
この2人は桔晶と共に陰陽師として京を守る努めをしています。読んでてもうこの2人…くっついちまえよ!!と思いました(笑)
道周は隻眼の男です。彼は氷室を守ったために片目を失いました。そして道周に助けられたのが氷室なのです。
道周はややゴツめのイメージのある頼りになる男なのですが、なんか氷室には柔らかい気がします!対する氷室は…命がけで守ってもらったというのもあると思うのですが、今度何かあったらこの身を捧げてでも道周を守る、と誓うほど!
あーー!もうお似合いだよぉ!
②一心同体不思議な双子。そして氷室。
主に桔晶に仕える双子の日南と月代。彼らは2人だと発することができる不思議な力を持っていて、片時も離れることはありません。よくハモってるこの双子ちゃんとてもかわいいです。
そしてね、双子ちゃんたちと氷室の絡みにも萌えました。
氷室はぶーすか双子の文句を言っているのになんだかんだ双子ちゃんが好きなんですよね。双子ちゃんたちも氷室をよくいじっていますがめちゃくちゃ懐いています。
このやり取り萌える…(;´Д⊂)
③ナイスガイ帝
長きにわたり桔晶のことを想い続けている帝。
この帝、ナイスガイです。彼の器の大きさは真のイケメンですよ…。さすが京を治める帝です。
帝は残念ながら当て馬なのですが…ナイスガイ過ぎて彼には幸せになってほしいです…(切実)
①~③、いや~非常にその後がきょうみぶかいですねぇ…
ありがとうございます。供給充分です。おいしくいただきましたー。(←??)
さいごに
『人喰い鬼は色に狂う』オススメのまとめ
◯昔の言葉でエロ度増し!
◯切なく甘いラストに涙!
◯両片想い好きな方におすすめ!
◯愛すべきわき役たち!
実は紗野先生の作品は初読みでした。この『人喰い鬼~』の一言感想としては、美しく優美な平安の情景が目に浮かんできます。そして先生の文章の美しさに感動しました✨
雅やかな官能にも思わずヤられました…そしてもっともっと紗野先生の作品を読んでみたいです!
愛しの葛西先生のイラストも本当に素敵です✨オニってどう描かれるのだろう…怖いのかな…と思われるかもしれませんが安心してください!もうキレイですよ!ゾクゾクするほど!
ところで難しい漢字にえろさを感じてしまうとは…我ながら自分のツボがよく分かりません…汗
自分のツボを研究します。
最後まで読んでいただきありがとうございましたm(_ _)mペコリ
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