吾輩は腐女子である。名前はカエルである。
いつ腐に目覚めたのかおおよその見当はついている。何でも高校の図書室で手にした一冊の本に載っていたある絵画を目にして、未だかつて感じたことのないくらい自分の血が騒いだことを記憶している。
吾輩はここで始めてボーイズラブというものを見た。しかもあとで聞くとそれは数多の女、男を腐の沼に引きずり込み、脱け出すことを不可能にするジャンルだそうだ。このボーイズラブというのは度々我々を捕まえ、萌えさせ、過度の萌えで苦しませるという話である。しかしその当時は何という考えもなかったから別段吾輩がこの沼にはまるとは思ってもみなかった。
☝夏目漱石『吾輩は猫である』風に書いてみました(笑)
こんにちは、腐ったカエルです🐸
このブログを何度か読んでくださっている中にはご存じの方もいらっしゃると思いますが……
このブログの管理人(私)は腐女子であります。
要するにボーイ・ミーツ・ボーイを燃料に日々生きております。
ブログを立ち上げてから3か月あまりが経ちました。
そこで自分の腐女史(←自分史的な)を振り返ってみようかなぁと思いました。
めちゃめちゃ自己満です(笑)
記念すべき??第一回は楽しい楽しい腐女子Lifeを送る原点となった絵画について語ります。
「無自覚腐女子期」から「芸術系腐女子期(←自称ww)」に移行したお話。無自覚腐女子だった私が「あ……自分は腐女子だったんだ…」と悟らされた忘れることのできない作品です…*- -)(*_ _)ペコリ
それと目次の【ヒュアキントスの死】って?をみていただくと少しですがその作品についての紹介があります~
私の腐女史
管理人の腐女史年表
漫画、小説、アニメ、映画、妄想……などなど今でこそ色んなジャンルのblものに手を出している強欲腐女子な管理人ですが、実はそうなったのは腐女子と自覚してからしばらく経った最近のことなのです……。
私は「無自覚腐女子期」があり、今思い返すと中2~高校1年の途中くらいまでそうでした。無自覚なので当時は気づいていなかったのですがね(←けっこう重症(笑))
ちなみに私の腐女史年表はこんな感じですかね
①純真無垢ピュアピュア期(0歳~4歳?みじかww)
②腐の予兆現る期(5歳~中1)
③無自覚腐女子期(中2~高1)
④芸術系腐女子期(高1~)
⑤匂わせ系LOVE腐女子期(高2の途中~)
⑥THE腐女子期(大1~いまここ(*^。^*))
⑦???期(未来の私)
今回は③無自覚腐女子期から④芸術系腐女子期に移行したきっかけを語ります。
私の言う「無自覚腐女子期」とは、blが好きなのに自分がblが好きだと自覚していない時期のことです。(←なんかやっかいだな(笑)
無意識のうちに腐っぽいものを読みあさり、見あさり……そんな行動をしていたのです(笑)
管理人は「絵」が好きです
とまあ今考えると非常にもったいない無自覚期が長かったのですが、この「無自覚腐女子期」を脱け出し、「芸術系腐女子」という新たな境地に到ることになった出来事があったわけであります。
突然ですが、私は「絵」が好きです。
特に絵を見ることが好きで、漫画、本の表紙、絵画、友達の描いたイラスト……etc。芸術鑑賞というのでしょうか、とにかく「絵を見ること」が大好きなのです。本や漫画ではけっこうジャケ買いの常習犯かも(笑)
そんな私は高校生のころ、中野京子さんの「怖い絵」という、絵画に隠された怖い意味について語られている本を読んで以来、西洋の絵画にドはまりしていました。学校の図書室で芸術系の本や雑誌を読んだりよくしていましたね。
あ、もちろん今でも西洋美術大好きですが(*^。^*)
そんなある日のことです。あれは忘れもしない高校1年生の2学期、図書室での出来事…。
運命の絵画との出会いがあったのです。
この絵画が私を腐の沼に引きずり込むことになるとは、当時思ってもいませんでしたが…。
ジャン・ブロック【ヒュアキントスの死】と運命の出会い
今日はどの絵画の本を借りようかな~と高校1年の私はいつものように放課後の図書室にいました。
あの日、私は一冊の本を手に取りました。確か先ほどお名前のあがった中野京子さんの『中野京子と読み解く名画の謎 ギリシャ神話篇』だったと思います。面白そうだなと思いこの本を手に取ってパラパラとページをめくっておりました。
するとです。そう、引力です。
私は自分が手に取った本の中の、あるモノから強い引力的なものを感じました。
たくさんの魅力的な絵画が紹介されているのにも関わらず、私は一つの作品から完全に目が離せなくなったのです。
☟その運命の作品です
ジャン・ブロック【ヒュアキントスの死】
出典:ヴァーチャル絵画館 西洋美術史=時代と様式解説 主題解説=ギリシャ神話・聖書の物語・文学・象徴
デデーーーーン!!!!!
今にも力なく倒れてしまいそうな青年のその痛み、悲しみを、愛おしむようにそっと包み込むもう一人の青年。
画面横から彼らに射し込む柔らかな光。
ほんの一瞬を切り取ったかのような、突風にあおられる桃色?のスカーフ…(←絶対スカーフじゃないけど(笑))
はじめてこの絵を見た時、自分の血が今まで経験したことのないくらい激しい勢いで頭から爪先まで駆け巡ったのが分かりました。
そして自分の知っていた事実が全て覆るような……自分の細胞が全部入れ代わるような感覚に陥ったのです。(←マジです!誇張してません!!)
美しい。
それが当時の私が一番最初に思った感想です。
この0.1秒にも満たないのであろうこの一瞬は、彼らただ二人のためだけにある。
部外者が入る隙なんてない。
そしてこの景色が、この一瞬が、私が長年無意識のうちに探し求めていたすべてなのだと確信しました。
私はこの瞬間、今まで自分が無意識のうちに萌えていたものの「正体」を。自分の体を勢いよく駆け巡った「血」の意味を理解したのでした。
その正体は【ボーイズラブ】であり、その血は【腐女子】の血。(←ちなみに“ボーイズラブ”と“腐女子”という単語は知っていました。友達に腐女子がいたので(笑))
全てが腑に落ちました。
感動さえしました。
エモい、エモすぎる( ;´Д`)
私にとって彼らは最高にエモかったのです。
腐女子として生きる決意
ところがどっこいです。
画面二人の二人だけの空間に、我々部外者は入る隙なんて無い。入ってはいけないと心に決めたとほぼ同時に……
私の心の中にはある欲望が生まれたのです。
この二人のこの一瞬をずっと覗いて見ていたい、という激しい衝動に駆られたのでした。
どうしたらこの二人を、さらには二人が作り出したような一瞬を……見続けることができるのか…。高1の私は本気で悩みました。
『ヒヤキンストの死』と出会ってからはさらに絵画(特に西洋美術)にのめり込みました。そしてこれまで以上に画集を読みあさり、画像検索したり。そして調べるうちにあることを発見したのです。それは……
絵画はblや少年愛の宝庫だったということです。
非常においしい題材が出るわ出るわ!ここ掘れワンワンだったのです🐶
絵画を観る。自分がずっと好きだったこの趣味が、いとも簡単に自分の抱いたあの欲望を叶えることができるのではないか!しかも画面の外で見るだけなのでboysの空間を決して邪魔しないで、永遠に眺めることができるのです。
こうして高校1年の私は、腐女子として生きることを決めました。美術史における少年愛、blをエサに生きる「(自称)芸術系腐女子」として生きることを…。
【ヒュアキントスの死】って?
※以下絵画の説明等がありますが、芸術鑑賞が好きなただの理系大学生が記したものになります。その点を踏まえてご覧ください<(_ _)>ペコ
先程と同じ画像です。
画像貼るだけでも絵の圧倒的な神々しさに、思わずクラっとしました…(笑)
この絵があったからこそ今の私がいる、と言っても過言ではないと思っております、
管理人が運命の出会いと称しているこの絵の題名は『ヒュアキントスの死』
ジャン・ブロックという人が1801年に描きあげました。
ボーイズのラブですか??はい、ボーイズのラブです。
ギリシャ神話でお馴染みの太陽神アポロンと、美少年ヒュアキントス、そして西風の神ゼフィールズの悲しい愛の物語を描いているのです…(´;ω;`)ウッ…
ヒヤシンスというお花の誕生秘話でもあります。
描かれている人物
アポロン(画像右)……太陽神にして諸芸術の神。
ヒュアキントス(画像左)…アポロンに愛された美しい人間の青年
ゼフィールズ……西風の神。上の画像には人物としては描かれていません
ストーリー
太陽神アポロンは、ヒュアキントスという美しい青年(人間です)をたいそう愛していました。彼らは愛し、愛されていたのです。
しかしいつの時代にも、その仲をねたむ者がいたのです。それは西風の神ゼフィールズでした。
ある日、アポロンとヒュアキントスは円盤投げをして遊んでいました。しかし幸せな時間は突然終わりを告げるのです。
アポロンとヒュアキントスの関係を良く思わないゼフィールズ。二人の仲睦まじい様子をみた彼がアポロンの投げた円盤を跳ね返らせたおかげで、その円盤がヒュアキントスの額に当たってしまったのです!!
ヒュアキントスの額からはおびただしい量の血が流れ、彼はアポロンの腕の中で息絶えました。(←ここが描かれています!)
「愛する愛するヒュアキントスよ。おまえは永遠に生きるのだ。私の思い出と一緒に、私の哀しみをきざんだ花となって……」
アポロンは言いました。そして不思議なことにあたりの草を染めていた血は血ではなくなり、そのかわりに美しい紫色の花に変わっていました。アポロンはその花に「悲しい、悲しい」と書き記したそうです。
この花こそがヒヤシンスの花でした。
絵の説明(少しだけ…)
今にも倒れそうな青年(左)がヒュアキントスです。手足は力なく投げ出され、生気はまったく感じられません。そして彼を抱きかかえるのがアポロン。ちなみにアポロンが背負っているのは竪琴です。アポロンは芸術の神でもあったので、アポロンの象徴としてよく一緒に描かれます。
画面左下にある金の丸いプレートがアポロンの投げた円盤です。
そしてアポロンがまとっている布が風になびく様子で、西風の神ガニュメデスを表現しています。(←たしかそうだったと思うのですが自信なくなってきました…今度図書館行って確認してきます。すみません…💦)
ガニュメデスの姿が見たい方!ボッチチェッリの『ビーナスの誕生』の左上の人がそうです!!☟
このヒュアキントスの死を扱った作品はジャンブロック以外も描いています。有名なところだとG・B・ティエポロの『ヒュアキントスの死』かな。マッチョblが好きな方にはこっちの作品の方がおススメです(笑)
神々と人間の、死をもたらす程の悲しい三角関係?の末に誕生した花、ヒヤシンス。その花言葉をご紹介します。
花言葉と伝説を知ると、ヒヤシンスの美しさがなんだか悲しく思えます…(´;ω;`)ウッ…
花言葉:運動。遊戯
花言葉が運動なのは先ほどの伝説が由来です!
白……ひたむきな愛情
黄色…あなたとならきっと幸福になれます
赤紫…あなたの行為に感謝します
参考文献など
参考文献
◯『芸術新潮 永遠の美少年』2017年1月号
◯内山登美子 『愛の花ことば 花の伝説』 集英社
今回このブログに登場した書籍
◯中野京子 『怖い絵』 アサヒ出版社
◯中野京子 『中野京子と読み解く名画の謎 ギリシャ神話篇』 文藝春秋
◯中村明日美子 『ダブルミンツ』宙出版
さいごに
名画はbl、少年愛の宝庫です。
太陽神アポロンだって美少年エピソードが他にもあります。 アポロン×キュパリッソスのエピソードも有名です。(←神様に×使うのは少し罪深いですが…汗)
私的には全能の神ゼウスがガニュメデスをさらうシーンを描いた『ガニュメデス』も好きです。ゼウスは女好きで有名ですが男も好きなんですよねぇ。これは本当に色んな画家がそれぞれの特徴で描いているので、自分好みのシチュを探すのも面白いかもしれません。この時のゼウスはワシに化けてるのでワシとして描かれていることが多いですが…
あと神を題材としたものではないのですがフレデリック・レントンの『命中』も大好きです…これ健全なww父と子を描いたものなのですが、教育をしている、という絵の題材的には、歴史における少年愛の法則?的なのに則ってるんですよね…( ̄ー ̄)ニヤリ てかお父さん若すぎ…
それからもはやblじゃないのですがムリーリョの『幼子イエスと洗礼者ヨハネ』が超ムネキュンかわいいベイビーで……
それから、なぜ男女の異性同士、そして男性同士、女性同士が愛し合うのか。の説明エピソードに用いられるゼウスとアンドロギュヌスの話。たぶんこの題材は中村明日美子先生の『ダブルミンツ』の元ネタだと思うんですよねぇ……
あ、いつの間にか自分の腐語りが一周回って好きな絵画の紹介になりましたね…(笑)
もうはじめ何を語っていたのかよく分からなくなりましたが…
とにかく絵画はBLの宝庫です。けっこう目の保養になります。これぞ眼福です。そしてなぜこうなったのかなど背景を知るともっと面白いです!
でもなぜかGLはあまり見かけないような気もします。なぜなんでしょうか……あと中村明日美子先生の『ダブルミンツ』の件も……ご存じの方いらっしゃいましたら教えてほしいです…<(_ _)>
これを読んでくださった方は、どんなきっかけがあって趣味ができたのでしょう。皆さんの好きになったエピソード、すごく聞いてみたいです~!
今回もよくわからない私の語りを最後まで読んでいただき、ありがとうございました(*- -)(*_ _)ペコリ
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