こんにちは、カエルです🐸
BL好きさんにおすすめの一般小説、第二回目の投稿です📚
今回ご紹介するのは三浦しをんさんの『月魚』角川文庫 です!
目に浮かぶ情景が本当に美しい作品です✨
そして兄弟も同然に育った幼馴染二人の、「友達」という言葉では語り切れない甘未な関係……あぁ…たまらん…
あらすじ
古書店『無窮堂』の若き当主、真志喜とその友人で同じ業界に身を置く瀬名垣。瀬名垣の父親は「せどり屋」屋とよばれる古書界の嫌われ者だったが、その才能を見抜いた真志喜の祖父に目をかけられたことで、幼い2人は兄弟のように育った。しかし、ある夏の午後起きた事件事件によって、2人の関係は大きく変わっていき……。透明な硝子の文体に包まれた濃密な感情。月光の中で一瞬見せる、魚の跳躍のようなきらめきを映し出した物語。 (文庫の背表紙引用)
主な登場人物
真志喜・・・古本屋「無窮堂」の若き当主。本を愛する。瀬名垣の一つ年下。
瀬名垣・・・「せどり」の息子で現在は古本の卸屋をしている。真志喜とは兄弟のよ
うに育った。良い本を引き寄せる才能がある。25歳
本田翁・・・真志喜の祖父で無窮堂の元当主。真志喜と瀬名垣をかわいがってくれた
真志喜の父・・ある事件をきっかけに真志喜が幼いころに失踪
岩沼美津子・・亡くなった夫の遺品である本の査定を瀬名垣・真志喜に頼んだ若い女性
夫とは40歳程年が離れていた。
※せどり・・・古本屋やで金になりそうな本を買い、その本の専門店に売ることで収入を得る仕事。古本屋界からは疎まれている
おすすめポイント(目次)
真志喜と瀬名垣の友達、兄弟以上の関係性
この物語に登場する真志喜と瀬名垣は兄弟のように育った幼馴染です。大人になった今も2人の関係は続いています。
お互いが相手のことを必要だと思う。
お互いが相手のことを想い、相手のために怒り、悲しむ。
2人の関係は友達、兄弟以上。その想いはどこか恋にも似ています。(いや、恋です)
それは態度にも表れています。
瀬名垣は何かあるとすぐに真志喜の髪に優しく触れるのです。それを受けて真志喜は頬を赤く染めます。
でも真志喜はきまって瀬名垣の手を払いのけます
二人の想いはある「罪」に苛まれていて完全には交わらないでいるのです
ここがほんとに歯がゆい…!(´;ω;`)ウゥゥ
しかし物語が進むにつれ二人の関係は変化していき……
真志喜と瀬名垣の「友情」という言葉では表せない関係
ハッピーエンドなのですがどこか切ない余韻を残す三浦しをんさんの表現は美しく官能的です…
二人の関係はかなり萌えますよ( *´艸`)
父との再会
真志喜(と瀬名垣)は本の査定と買い取りを頼まれ訪れた先で、失踪した真志喜の父と再会します。
真志喜にとっては幼いころに自分の元から去っていった父
また瀬名垣が真志喜の父に感じている負い目
二人は真志喜の父に様々な感情を持っていました。
お父さんも色々悩んでいたのですがね…
二人は「罪」と深く関係のある父とどのような決着をつけるのかが見所です。
「罪」の呪縛
幼い頃に起こったある事件をきっかけに、真志喜と瀬名垣は常にとある「罪」に苛まれています。
真志喜は瀬名垣が自分のもとに来てくれるのは瀬名垣の抱える「罪」の意識からだと思っています。
一方瀬名垣は、真志喜がそのように思っていることを知っています。しかし瀬名垣が真志喜のもとから離れられないのは違う理由もあるのです。でも「罪」の意識からか、その本当の理由は言えないでいます。
二人が離れられず、でも完全に交わることがないのにはこの「罪」が二人を取り巻いているからなんですね。
そんな真志喜と瀬名垣が二人で「罪」と向き合っていこうとする姿が素敵です。
池の主
真志喜の家(無窮堂)の池には主(魚)がいると言われていました
でも真志喜は一度も見たことがありません
瀬名垣は昔一度見たことがありますが、その時は真っ黒いぬめっとした影だけでした
この物語ではこの魚が真志喜と瀬名垣の心情を表す重要な役割を果たしています(おそらく)
題名にもなっているように、美しい月夜と魚の跳躍が本当に目に浮かぶ最後のシーンでは心が満たされる感じがしました🌛🐟
最後に
最後でも言うのもなんですが真志喜と瀬名垣の関係は本当に萌えます(すみません…)
お互いが相手のことを大切に想っているのに、なかなか交わらないところが実にもどかしい…… 思わず二人を応援したくなります!
三浦しをんさんが書かれる作品全体に言えることかもしれませんが、この作品、表現がすごく美しいです。✨
文章が細かい?詳しく書かれているので情景がすぐに浮かんできます
月夜の中、向かい合う真志喜と瀬名垣…(n*´ω`*n)
あぁ…幸せになってくれ…(切実)
彼らと真志喜に憧れ(恋?)を抱く国語教師の書き下ろしもすごく素敵なお話でした。
お遊びで作ってみました↓
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fudaikaeru.hatenablog.com
最後まで読んでいただきありがとうございました(*- -)(*_ _)ペコリ
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