腐大生の徒然日記

耽美、BLの沼から脱け出せない大学生による雑記ブログです。主にBL作品(漫画、小説、映画etc..)の感想、BL愛を綴っています。その他頻出話題は映画、音楽、絵画、グルメ等になると思います。

King Gun『The hole』 彼が愛していたのは…男性か女性か…?「エロス」と「アガペー」で勝手に深読み

最近、King Gunさんの曲をなにかしら聴かないと一日が始まりません。King Gunさんの曲はおしゃれで、深く考えさせる歌詞やMVが多い気がします。

 

今回は私のおすすめのKing Gunさんの曲、「The hole」を紹介しつつ、勝手に深読み(特にMVを)したいと思います!あくまで私個人の解釈です(笑)温かい目で読んでいただけると嬉しいです。

 

目次

 

 

MVと歌詞

youtu.be

https://youtu.be/BjI0HIn46l0

作詞作曲:常田大希

 

晴れた空、公園のベンチで1人

誰かを想ったりする日もある

世界がいつもより穏やかに見える日は

自分の心模様を見ているのだろう

 

吐き出せばいいよ

取り乱せばいいよ

些細な拍子に

踏み外してしまう前に

 

愛を守らなくちゃ

あなたを守らなくちゃ

消えそうな心の声を聞かせて

 

ぽっかりと空いたその穴を

僕に隠さないで見せておくれよ

あなたの正体を

あなたの存在を

そっと包み込むように

僕が傷口になるよ

 

気づけば誰かの物差しで

人と比べた未来に傷ついて

身体にぽっかりと空いたその穴を

埋めてあげることが出来たのなら

 

逃げ出せばいいよ

全てを放り出せばいいよ

些細な拍子に

壊れてしまう前に

 

愛を守らなくちゃ

あなたを守らなくちゃ

消えそうな心の声を聞かせて

 

ぽっかりと空いたその穴を
僕に隠さないで見せておくれよ

傷には包帯を好き勝手放題の

世界から遠ざけるように

僕が傷口になるよ

 

愛する誰かが自殺志願者に

僕らはそのくらい脆く不確かで

愛を守らなくちゃ

あなたを守らなくちゃ

世界の片隅に灯るかすかな光を

搔き集めて

 

この世界の

希望も絶望も

全て飛沫をあげて

あなたに降り注ぐのなら

あなたの正体を

あなたの存在を

そっと庇うように

僕が傷口になるよ

 

 

MV詳細

登場人物 (演じた方の名前)

 青年(清水 尋也さん)

 男性(神庭 昇平さん)

 女性(夏子さん)

 

 開始早々鏡の前でキスをする男性が二人。一人の男性はその様子を写真に収めています。これは色々深い訳がありそうですね(・∀・)ニヤニヤ。いったい何があったのでしょう…?

 

 次に映し出されたのは公園のベンチに一人で座る若い女性(夏子さん)。どこか寂し気です。画面右下を歩く二人とは対照的です。

 

 この物語の主人公であるレストランで働く若い青年(清水 尋也さん)は一人で席に座る上記の女性に気が付きました。彼女は目に涙を浮かべているようにも見えます。一見この女性は一人で来店しているように見えますが、隣に座っていた男性が女性に何か言いながら席を立ち、女性も彼に対し頷いているので何かしらの関係はあるのでしょう。でもわざわざ違うテーブルに座ることから二人の間に距離を感じます。

 

 日づけは変わり、また同じ女性に気づいた青年。彼は女性にパスタを出し、彼女に微笑みかけます。女性は呆然として青年を見つめます。 

       

 場面は変わり、鏡の前で女性が自分の顔をみています。彼女の顔には痛々しい傷(殴られた?)がありました。レストランで隣に座っていた男性が関係しているのでしょうか。この様子に気づき青年は後ろから「そっと包み込むように」女性を抱きしめます。女性は今まで隠してきたつらい感情を全て吐き出すかのように涙を流します。そして夜も明け女性は心を許しきった表情に。ここから青年と女性の交流が始まります。

 

 夜にも関わらず青年はどこかに急いでいます。訪れた先には一人の男性(神庭 昇平さん)が。そこで二人は熱い抱擁とキスを繰り返し、一夜を共にするのです…!(きゃあ…!照!)

 

 朝が明けベッドで朝食を食べる二人。そんななか青年のもとに一件の着信がありました。一瞬だけ視線を男性に向ける青年は申し訳なさそうな表情です。男性もその様子を見て、何か言いながら視線をそらしています。男性は青年に女性の影を感じ、「ここが引き際かな…」と思ってのしぐさなのではないでしょうか?

それにしてもこの男性(神庭 昇平さん)、色気ムンムンですね(笑)。タバコが非常によく似合う!!

 

 この男性との関係がありながらも、青年は女性との交流も続をけます。(一緒に海に行ったり)

 

 ある日青年は男性の家で飛行機のチケットを発見しました。その行き先はなんとNEW YORK!男性のものと思われます。そしてまたある日、青年が仕事先で掃除をしているとスーツケースを持って男性がやってきました。おそらく青年に別れを告げに来たのでしょう。そして突然キスをします。最初のカットはここにつながります

 

 青年が帰宅すると部屋に女性が佇んでいました。おそらく青年と男性の関係を勘付いたのでしょう。青年に怒りをぶつける女性。ついには女性は出て行ってしまい、必死に青年は追いかけます。

 

 カットは変わり何かに気が付き後ろを振り向く女性。そこには横転した車が。女性が近づいてみるとそこには事故に巻き込まれ血だらけになって倒れる青年の姿がありました。

 

 明るい場面になります。抱き合ってゆっくりキスをする女性と青年。次に横たわった女性の顔が映し出され、彼女はゆっくりと目を閉じます。 (終)

 

 

すみません、長くなりました…ここからは区切りながら書いていきます!

気になるところ

このMV、歌詞を見て私が気になったところ、深く考えたいなと思ったところを上げてみました。これらのことを中心に述べていきたいと思います。(↓これから述べるのは下から6つのことです…)

 

 

 

青年が愛していたのは…?

このMVを見ると、「愛」するということとは、と考えさせられる気がします。では一体青年が愛していたのは男性と女性、一体どちらなのでしょうか。

 

結論から言うと、青年は最後までどちらも愛していたのでしょう!(←単純)ただ、青年が男性と女性それぞれに向けていた愛する意味は異なると思います。

 

まず女性との関係。青年はMVで3回ほど女性を包み込むように後ろから抱きしめています。その様子はまるで「俺が守ってあげなきゃ!」と態度で示しているようです。女性も青年にはすっかり心を開ききったような表情に見えますし、青年と男性の関係に気がついたのでしょうか、最後の方には嫉妬(愛してたから)とも読み取れる場面があります。

修羅場はあったものの、お互いに愛していたのではないでしょうか。

 

次に男性との関係。これは…明白ですね(笑)。「体だけの関係」という言葉もありますが二人の関係はそうではないように感じます。男性が別れを告げに来たあと、青年がシャワールームで倒れている場面があります。(←服が青年と同じに見えたので…)本当に愛していたからこそよほどショックだったのでしょう。また、男性は鏡の前で青年とキスをするところを写真に収めています。離れる前に愛の証を残しておきたかったのでしょうか。

このことからもお互い愛していたのだと思います。

 

ただ少し気になったのは青年は、男性とは向かい合って抱きしめあうシーンがいくつもあったのに対して、女性には後ろから抱きしめるばかりで、向かい合って抱きしめたのは最後のカットだけなんですよね。でもこのカット今までとは打って変わり、明るすぎるくらいきれいな映像なので、女性が美化して作り上げた「理想」であり現実ではないような気がします。それを踏まえると向かい合って抱きしめるのは0回で…。

青年と女性の間では「愛すること」に対してすれ違いがあったのかな…。とも思えます。

 

青年が示した、2つの愛し方

MVを見て感じられた方も多いと思うのですが、青年の男性に対する愛は「性愛」。(逆もしかり)一方女性に対する愛は「無償の愛」という感じがします。

 

そういえばこの二つの愛、何て言うんだっけ……あ!そうだった!「エロス」と「アガペー」だ!(←使ってみたかった(笑))

 

エロスとアガペー

はい。影響を受けやすい私は「ユーリ!!!on ICE」を見てからすっかりこの言葉にはまってしまいました。(笑)それで「The hole」のMVを見てこう思ったわけです…これは、まさに、「エロス」と「アガペー」ではないか…!と。

 

では、この「エロス」と「アガペー」の意味を確認してみましょう。

 

エロス

1、ギリシア神話の愛の神

2、愛。普通には恋愛・性愛の意味であるが、プラトンは肉欲から始まり、愛の上昇の種々の段階を解き…(以下省略)

 

アガペー

1、罪を免れることのできない人間に対して神が代償なしに恩寵による救いを与える行為。キリストの自己犠牲的な愛として新薬聖書に記述された。

 

広辞苑』より

 

青年と男性は言わずもがな性的関係にあります。お互い同意の上での関係でしょう。

 

青年の女性に対する感情は、苦難から逃れられないでいる女性を「自分が守らなきゃ」という かんじではないでしょうか。言ってしまえば、自分よりも相手の女性に対して気持ちの優先度が高い、「自己犠牲的な愛」です。

 

世の中には色々な愛し方があると思うので、それに名前を付けることは難しいと思います。ただこの二つの関係に名前を付けるとしたら、「エロス」と「アガペーが一番しっくりくるのではないかな、と私は思います。

 

一方女性が青年に抱いていた感情は、性的とはいわなくとも恋愛的な感情があったのではないでしょうか。男性の影に気が付いたのか、青年に怒りをぶつけるシーンがあったり。最後のシーンは女性の理想のような気もしますし。もしこれが本当ならば女性には自分の理想が軸にあり「自己犠牲的」とは言えません。

 

この青年と女性の相手に対する愛の感情?のすれ違いから、「青年が愛していたのは…?」で記述した、青年と男性、青年と女性での抱き合い方の違いを生み出してしまったのではないでしょうか。

 

「僕が傷口になるよ」とは?

 この歌には「僕が傷口になるよ」という歌詞が頻繁に出てきます。

「僕が傷口を塞ぐ絆創膏になるよ」(←我センス皆無(笑))ではなく「僕」は「傷口になる」んです!この言葉選びに作詞した常田さんのセンスの高さを感じます…。

 

私はこのMVには「傷口」になった、もしくはなる「僕」が二人いると思っています。

 

男性と青年です。(←分かりにくい書き方ですみません)

 

男性は青年への着信で女性の存在に気が付いたのだと私は思っています。ここからはあくまで私の推測ですが、男性は青年との今のような関係はここで終わりにしなければならない…と思って青年の元から去ったのではないでしょうか。「青年に女性と幸せになってほしい、ここが引き際だ…。」と。

 

おそらく二人は別れる際まで愛し合っていました。本当に愛しているが上に男性が「傷」を負った(自分が手を引いた)のだと思います。

 

次に青年です。青年も確かに女性を愛していました。彼の愛は「自己犠牲的」愛です(上述)。青年が女性のために「傷口」になった場面は残念ながら私には見つけられませんでしたが、彼の愛は女性になにかあった場合には自分を傷口(犠牲)にするくらい大きなものだったと思います。

 

しかし、最後の場面で男性は事故に巻き込まれてしまっています。青年は女性を想って追いかけてが故に「傷」(←傷どころじゃないけど…)を負ってしまいました。これは望んで起きた出来事ではないと思いますが、相手を想うが故に傷になったという点では、歌詞に当てはまるのではないかと思います。

 

誰の誰に対する歌?(推測)

 これは誰の誰に対する歌なのでしょうか。私は、

 1.青年が女性に向けた歌

 2.男性が青年に向けた歌

だと思っています。歌詞を素直に読むと1.の要素が強いと思います。ただ、「僕が傷口になるよ」という歌詞や男性の青年に対する気遣い、大人の包容力(←謎の予想)もあると考えると2.も考えられるのかな、と思います。

 

最後に

この世には様々な愛の形があります。恋愛、性愛、無償の愛、相手のことを想い続けるのが愛、相手のために身を引くのが愛……ほかにも様々な形の愛があるでしょう。

 

相手に自分の愛が伝わり受け入れてもらえるのが理想でしょうが、現実そうはいかない場合も多いです。

 

でも形に違いはあれど、人を愛する気持ちは素晴らしいこと。私も人を愛したいものです…(´;ω;`)

 

King Gunさん、素晴らしい歌をありがとうございます…

それにしても神庭さん、大人の色気えげつない…

 

 

長い長い文章を最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

画像は『Photo AC』さんからお借りしました。

 

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